代謝のリズムを調えて元気に

第1章 代謝ってなに?(代謝の種類)

私がこれまで3000人以上の方をカウンセリングしてきて、病気ではないけれど、元気がない。という人は例外なく代謝が低下していました。ですので、いつまでも夢を追いかけ続けられる元気な体を手に入れるためには、『代謝』をあげる事が絶対に必要となりますので、その方法をお伝えしていきたいと思います。

まずは、代謝とは何か、代謝の種類と合わせて整理してみます。『代謝』とは人間が生命活動を行ううえで欠かせないものです。この世の中に生きるものは、植物も動物も人間も永遠に同じ状態であり続けることはありません。私たちは常に栄養素を消化・吸収し、組織の入れ替えの材料にしています。また、体を動かすエネルギーを生産し、それを消費して活動します。そして、不要となったものは体の外へ排泄物として体外へ出す。この「消化・吸収・エネルギー生産・排泄」の一連のプロセスを『代謝』と言います。

  • 組織の入れ替えと再生「新陳代謝」
  • エネルギーの生産と消費
    1. 「基礎代謝」
    2. 「生活活動代謝」
    3. 「食事誘導性熱代謝」
  • 免疫力と修復
  • 排泄と解毒

この4つのプロセスが別々に緊密に連携しあい、機能することが生命活動といえ、『代謝』が上がっている状態とは体内の細胞が活性化して元気がいい状態なのです。

1、細胞の入れ替えと再生「新陳代謝」について

私たちの体は約60兆個もの細胞でできていますが、新陳代謝はその全てを維持する役割を担っています。細胞は1度つくられたら終わりではなく、老化した細胞は分解され新しいものに常に置き換えられます。新陳代謝の周期は身体の部位よって異なります。

肌:28日 筋肉:60日 肝臓:60日 心臓:22日 骨:90日 胃腸:5日 小腸:5日

ですので、約90日後には細胞がある部分はほとんど新しくなります。でも、血液は赤血球の寿命が120日なので、体質改善には4ヶ月は様子を見ていくとよいと言われています。しかし、年齢によっても周期は変わり年齢とともに衰えてきてしまいます。皮膚(肌)の場合でみてみると(皮膚組織の新陳代謝の事を「ターンオーバー」と言います。)

10歳代:20日 20歳代:28日 30歳代:40日 40歳代: 50日 50歳代:75日 60歳代:100日

また、季節や気候によっても新陳代謝の速度は変わって来ます。紫外線、汗、乾燥の影響を受ける皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)についてみてみると

5月〜10月の紫外線が多く、汗の出やすい季節

肌に紫外線が当たるとダメージを与えます。ダメージのある肌は早く修復しようとするので新陳代謝の周期を乱してしまいます。また、汗の出やすいこの季節は汗と一緒に皮脂も出るため毛穴が詰まりやすくなります。毛穴が詰まると肌は硬くなります。肌が硬くなると角質がはがれにくくなるので、角質をさらにかたくしてしまい、皮脂・お化粧・誇りなども重なり角質は更に剥がれにくく、新陳代謝の周期を乱す悪循環となってしまうのです。

11月〜5月の乾燥しやすい季節

お肌が乾燥している状態というのは肌の細胞が水分を貯えられていない状態なので、肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激によってダメージを受けやすい状態になってしまいます。そのため、お肌を守ろうと角質が硬くなってしまうのです。これも新陳代謝の周期が乱れる原因となります。

この様に私たちの生命活動に欠かせない新陳代謝は、年齢(老化)や季節に影響を受けてしまいます。しかし、これらの要因以外でも

  • もともと乾燥肌や敏感肌、肌が弱い人
  • いつも使っている石鹸や洗剤、シャンプーなど
  • 紫外線の量
  • 毎日食べている食べ物
  • ストレスや睡眠不足
  • 運動不足
    など

このような日々の生活が個人差となって代謝に影響を与え、年齢が出やすい「お肌や髪質」に現れてきます。だから逆に、これらの日々の生活に気を配ることで代謝を上げることが出来、お肌や髪にハリ艶が生まれ、見た目も若々しく、身体も元気に過ごすことができるのです。

2.エネルギーの生産と消費について

エネルギーは私たちの生命活動に欠かせないもので、栄養素を分解して生産し、全身の臓器や骨格・筋肉を動かすのに消費されます。このエネルギーを有効に生産、活用するシステムのことをエネルギー代謝と呼ぶのです。そして、私たちの生命活動において消費されるエネルギーには次の3つの種類があります。

  • 基礎代謝
  • 生活活動代謝
  • 食事誘導性熱代謝

・基礎代謝

基礎代謝は安静な状態で消費されるエネルギー代謝です。ゆっくりリラックスして、何も活動していないように見える状態でも、私たちは生きるために、心臓を動かして血液を流したり、呼吸を行ったり、熱を生産して体温を一定に保ち、脳も活動をとめることはありません。ほとんどが無意識に行われていて、どれも命を維持するために欠かせない活動なのです。この時に消費されるエネルギーを基礎代謝と呼びます。そして、基礎代謝は人が1日の活動で消費するエネルギー全体のうち、60%~70%を占めるほど大きな役割をはたしています。
新陳代謝が細胞の入れ替わりであるのに対して、基礎代謝はカロリーを消費することになります。体型や性別によって違ってきますが、一般女性の場合、1日におよそ1200キロカロリー、男性は1500キロカロリーの消費を基礎代謝によって行っていると言われています。

・生活活動代謝

生活活動代謝は基礎代謝とは逆にスポーツや、家事、仕事などの運動、日常生活の活動で消費されるエネルギー代謝です。つまり筋肉を動かすことで消費されるエネルギーなのですが、エネルギー代謝全体でみるとその割合は20%~30%となります。しかし筋肉が増えると、大切な基礎代謝をあげることができるので密接に関わっており、運動による生活活動代謝もとても重要なのです。

・食事誘導性熱代謝

食事をすると、運動していなくても身体が暖かくなってきます。これは食事で取り入れた栄養素を吸収するために分解されることで発生する熱で、この事を食事誘導性熱代謝と呼んでいます。1日のエネルギー代謝に占める割合は10%~20%ですが、筋肉量が多い人や、よく噛む人は食事誘導性熱代謝も高くなります。

3、免疫力と修復

免疫とは疫(やまい)を免れるという意味なので、病気になりにくい力のことを免疫力といいます。免疫力には大きく次の2種類があります。

  • 自然免疫系
  • 獲得免疫系

・自然免疫系

こちらは初期防御系とも言われ、ウイルスや細菌など体に害を及ぼしそうな異物が身体に入ってこないようにする事の仕組みです。

・獲得免疫系

こちらは自然免疫系を突破し体内に侵入してしまった異物を撃退するために働く仕組みです。

私たちの身体はこの二つの仕組みで体外、体内の異物をやっつけ、身体を守っているのです。そして万が一身体を傷つけられた場合にこれを修復する自然治癒力も免疫力のひとつとなります。この免疫機能は、代謝、自律神経、ホルモンの3つの柱で成り立っており、これらがバランスを崩すと免疫力も下がり、病気にかかりやすくなってしまうのです。

また、免疫力は「体温」が重要な要因となっており、たった1℃体温が下がるだけで、免疫力が30%も下がってしまうと言われています。エネルギーを使うと、人の身体は熱を発生するので体温が上がります。つまり、代謝が良いと、体温があがりやすいので、免疫力が高く、病気や風邪をひきにくい身体になるということです。

人は一生の間に10億回もガン細胞が発生する機会があると言われています。それでもガンが発症しないのは免疫機能がしっかり働いて、ガン細胞の増殖を防いでいるからです。代謝が高いと免疫細胞も活性化して、次から次に分裂・増殖し外部からのウイルスや細菌をやっつけてくれます。つまり、代謝が高いと免疫力も高く、病気をしにくく元気に過ごせるとういうことですね。

4、排泄と解毒

身体に不要なものを外に出すことを排泄と言います。その殆どは汗と尿、便によるもので、便は小腸で消化された食べ物のカスが大部分になります。しかし、ファスティング(断食)などで食べ物を身体に取り入れなくても便は出てきます。これは新陳代謝によって古く不要になった細胞が腸に流れ込んで便となるためです。また、主に肝臓では体内に入り込んだ毒素を分解し、無毒化する「解毒」作用も備わっています。

この様な身体にとって必要のない物を体外へ出すことも代謝の働きと言えます。

第2章 代謝に影響をあたえるもの

ホルモンバランスやストレス、冷え性なども代謝の働きに大きな影響を与えます。

代謝とホルモンの関係

ホルモンの中でも「成長ホルモン」は脂肪を分解し、筋肉量を増やし、さらに皮膚や骨を丈夫にする作用がありますので、代謝に特に大きな影響を与えます。「成長ホルモン」は空腹時の他、睡眠初期の深い眠りの最中に多く分泌されるのですが、一度食事をすると分泌が止まるという研究もあるので、規則正しくバランスのとれた生活を送る事が重要なのです。

代謝とストレスの関係

”ストレス太り”という言葉もあるように、ストレスも代謝に大きな影響を与えます。人はストレスを感じると、「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌されます。コルチゾールは血圧の維持や免疫に関わる大切なホルモンなのですが、大量に発生すると逆にエネルギー代謝が滞ってしまい、脂肪も蓄積されやすくなってしまうのです。このストレスと代謝の関係から“ストレス太り”という言葉もうまれているのかもしれません。

代謝と冷え性の関係

古い細胞から新しい細胞に生まれ変わる新陳代謝が正常に行われるのには、栄養や酵素が十分に細胞へ行き渡る事が不可欠です。その栄養や酸素を身体の隅々まで運んでくれるのは血液です。身体が冷えると血液が細胞に行き渡らなくなるので新陳代謝に影響が出てきてしまいます。たとえ手足の一部の冷えであっても身体全体の血液の巡りが悪くなるので、新陳代謝を低下させてしまう原因となるのです。

代謝とお肌の関係

お肌の角質層は、活動を停止した細胞(死んだ細胞)が20層ほど重なり、その細胞と細胞の間を保湿成分や細胞間脂質で整えているような構造で、ちょうどレンガを20段ほど交互に積み上げ、そのレンガとレンガの間を保湿成分や細胞間脂質のセメントで固定するようになっています。レンガが整然と並んだ状態は表面が滑らかになっていますが、所々でレンガがめくれ上がった状態になると表皮もざらざら・ カサカサになってしまいます。 こうなると、そこに隙間が出来るわけですから、表皮内部の水分が蒸発して肌はますます乾燥して角質層の構造が崩れ、しだいに細かいシワが出来たり、ざらざら・ カサカサの肌荒れが進むという、悪循環に陥ってしまうのです。

また、本来角質層には肌に対する異物の進入を防ぐバリア機能があるのですが、老化やお手入れ不足、紫外線などによる外部からの刺激で、角質層のレンガ構造が崩れると、その隙間から異物が進入して、様々な皮膚トラブルが発生しやすくなります。

このように、角質層の状態というのは、肌の保湿機能やバリア機能を適正に保つうえでたいへん重要で、その角質層の構造は、新陳代謝が適正に行われることによって、いつも健全な状態が保たれているのです。

代謝と目の関係

新陳代謝が必要なのは肌だけではありません。若々しい瞳を維持するためには目の新陳代謝も大切です。

例えば、黒目である『角膜』と白目である『結膜』は、いずれも眼球の表面を覆っていて、“見る機能”に、とても重要な働きをする細胞です。これらの新陳代謝が低下すれば、“見る機能”も低下してしまう可能性があります。

まず『角膜』は、光を目に取り入れるためにある透明な組織で、光の情報を正確に取り入れるため、ごくわずかな変形が視力に大きな影響をもたらします。角膜はなめらかなカーブを描いていますが、新陳代謝が低下すると表面にデコボコが生じ、モノが見えづらくなることがあります。

『結膜』は、目の表面に涙を止まらせるための『ムチン層』という粘液を分泌させる役目を担っています。ムチン層は“涙の土台”となる組織ですが、新陳代謝が低下すれば分泌が鈍り、ドライアイやかすみ目の原因になる可能性があります。

このように、「新陳代謝」は”目”とも深い関わりを持って、大きな影響を与えているのです。

代謝と骨の関係

骨の生まれ変わり

骨は、私たちのからだをしっかり支えているくらいですから、固くて一度できたら一生変わらないようなイメージがありますが、折れた骨がつながったり、子どもの背丈が伸びるのに併せて骨も伸びたりもします。それは、骨が生きているからです。骨はからだの他の組織と同じように、新陳代謝を繰り返し、毎日少しずつ生まれ変わっているのです。

骨をつくっているのはカルシウムだけではありません。一見、固い骨はカルシウムのかたまりのように見えますが、たんぱく質の1種であるコラーゲンとカルシウムとで構成されています。骨はよく鉄筋コンクリートにたとえられます。コラーゲンが鉄筋、カルシウムがコンクリートといったところです。そして内部にはたくさんの血管が通っていて、骨の細胞が活発に活動しています。

骨の新陳代謝のメカニズム

骨は成長期だけでなく、成長後も一定のサイクルで骨をつくる「骨形成」と、骨を壊す「骨吸収」を絶えず繰り返しています。骨をつくるのが骨芽細胞、骨を壊すのが破骨細胞で、この2つが交互に活躍することによって骨は生まれ変わっています。

骨が生まれ変わっていく理由は2つで、ひとつは生命維持にかかせないカルシウムを貯蔵庫である骨から溶かし出して、からだの隅々まで送り出すため。もうひとつは古くなって弾力を失いもろくなった骨を、生まれ変わらせることで、再びしなやかで強くするためです。

破骨細胞はもともと血液細胞の1種で、古くなった骨をつくっていたカルシウムやコラーゲンを酸や酵素で溶かし、血液とともに運んでいきます。そして、自然と破骨細胞は消え、代わって骨芽細胞が現れます。骨芽細胞は鉄筋にあたるコラーゲンをつくりだし、そこに血液中から運ばれてきたカルシウムが付着して、新しい骨をつくっていきます。破骨細胞がカルシウムを溶かした後に、骨芽細胞が新しい骨をつくることによって骨の形成や成長、改造がおこると考えられ、約3年でからだの全ての骨がつくりかえられるといわれています。

新陳代謝と骨粗鬆症

破骨細胞は骨を生まれ変わらせたり、必要なカルシウムを体内に送り届けるために大切な細胞です。しかしホルモンのバランスが崩れると、この新陳代謝のバランスも崩れて、必要以上のカルシウムを溶かし出してしまいます。特に顕著に現れるのが、更年期や閉経期以降の女性です。エストロゲンという女性ホルモンの一つが不足することにより破骨細胞の働き過ぎが骨粗鬆症の原因だと考えられています。

このように強くしなやかな骨をいくつになっても維持するためには、骨の新陳代謝は欠かせないことなのです。

代謝と汗の関係

よく、汗っかきほど代謝が良いと言われますが、本当でしょうか?実は、汗っかきほど新陳代謝がよく、ダイエットもやりやすいいかというと、そういう訳ではないのです。

汗の役割は、高くなりすぎた身体の熱を汗と一緒に蒸発させ、体温を調節することです。だから汗で 脂肪が分解・燃焼されるわけではないので体脂肪が減るわけではありません。単に体内の水分が減っただけなので補給すればまた体重は元に戻ります。

でも、汗には老廃物を排泄するデトックス効果もあるので、ある意味では新陳代謝が良いとも言えますが、汗っかきだから新陳代謝が働いているとはならないのです。

太った方や熱がこもる体質の方は普通の人よりも熱を取り込みやすくなるので、汗をかきやすくなります。このような場合、汗っかきでも新陳代謝が良いとはいえず、単に身体に溜まった熱を出しているだけなのです。

ですので、自分は汗っかきなので、代謝がいいと思わず、しっかりと細胞の生まれ変わりやデトックスが伴っているかを考える必要があるのです。

代謝と髪の毛・頭皮の関係

新陳代謝を高めることは、頭皮を健康な状態に保つこととも関わってきます。頭皮の場合、新陳代謝がスムーズに行われることで、髪の毛が生え代わります。発毛には、頭皮にある毛母細胞が大きく関係しており、タンパク質などの栄養素が毛母細胞に運ばれることで、髪の毛が作り出されています。 

新陳代謝が高まると、体内の血液の循環が良くなるので、たんぱく質などの栄養素も充分に毛母細胞まで届けられ、発毛にもつながり安くなるのです。逆に、新陳代謝が悪いと、古い細胞である髪の毛が抜けたあと、当然ですが、新しい髪の毛が生えてこないという事になってしまいます。

また、新陳代謝を高めることで、毛穴に詰まった皮脂などの老廃物を排出する働きもアップします。古くなった皮脂が毛穴に残ったままだと、雑菌が繁殖することもあり、頭皮の臭いの原因ともなってしまいます。

頭皮を清潔にするだけではなく、新陳代謝を高めることで、薄毛や脱毛、頭皮臭を改善する事にも繋がるのです。

体の柔軟性と代謝の関係

歳を重ねると体がだんだん固くなりますが、体が固くなると代謝も落ちやすくなってしまうので体を柔らかくすることも、代謝を上げる方法の1つです。また、同じ年でも、体が柔らかい方と固い方がいらっしゃいますよね?体が固いと、前屈しても地面に手が届かなかったりしますが、なぜ体が固くなるのかというと、大きな原因二つ、

・筋肉が固まっている
・関節の稼働域が狭くなっている

筋肉が固まっていると筋肉伸縮する幅が狭くなるので、体の稼働域が狭くなります。また、関節の稼働域が狭ければ、こちらも当然のことながら体の稼働域は狭くなります。だから、体が固くなってしまうのです。

体を柔らかくすると代謝が上がる、その最大の理由は「筋肉が柔らかくなる」ところにあります。実は、筋肉の中に毛細血管がたくさん張り巡らされているので、柔らかくなることで、毛細血管内の血液の流れが良くなるのです。血流が良くなれば、血液によって送られる酸素や栄養が体の隅々までしっかり送られるようになるので、体が活発になって代謝が上がるわけです。また、関節の稼働域が広くなることも、代謝を上げることにつながります。関節の稼働域が広がると、当然、体の可動域も広がり消費エネルギーが増えるので、活動代謝が上がります。

代謝と水分の関係

体温と水分

水分補給することで血液やリンパの流れが良くなり、体が温まりまり、内臓機能や筋肉の働きが良くなることで、エネルギーの消費量が上がります。また、血液がドロドロになるのを防ぎ、血液量を増やすことで血行促進の効果もあるとされます。
このように体温が1度上がるだけでも、基礎代謝量が13%~15%変わるとされています。さらに、水を飲むことで一時的に体温が下がり、下がった体温をあげるためにエネルギーを使い、体温を元に戻そうとしてエネルギーの消費量も増えるのです。

水分でデトックス

しっかり水分補給すると利尿作用が高まります。体に溜まった老廃物を排出しやすくなり、デトックス効果が高まります。老廃物が溜まると内臓機能が低下して、基礎代謝も悪くなりがちですが、水分補給することで血流やリンパの流れが良くなり、デトックスの働きも促進されるのです。

リンパ液は体中を駆け巡り老廃物を回収する働きを持つので、成分が凝縮され濃くなり、ドロドロになり流れが悪くなってしまいます。そうすると老廃物が排出されにくい体になるのです。水分補給により内臓をデトックスして働きをよくすることで、基礎代謝も良くなるのです。

第3章 代謝を上げる方法

水分補給で代謝を上げる

まずはこまめにお水を飲むことです。起床時、外で活動するとき、就寝前という体の水分が失われやすいタイミングでの水分補給をおすすめします。就寝前にお水を飲む場合、直前ではなく寝る30分前くらいに飲むと良いです。血行促進には炭酸水も効果があります。炭酸に含まれる二酸化炭素を摂ることで、体内の二酸化炭素農度が高まり、体は酸素の濃度を高めようと働くので血行促進効果が得られます。

逆に大量のお水を飲みすぎるのも良くありません。ただのお水であればカロリーもなく、いくら飲んでも体に害はないとも思われがちですが、体が処理できる量以上の水分を摂ると水中毒と呼ばれる症状を引き起こすきっかけになります。水中毒とは、人間の体に含まれる水分は真水ではなく、ナトリウムやカリウムなどのミネラルも含まれていて、たくさんのお水を飲むことで体の水分バランスが崩れ、低ナトリウム血症の状態になることです。軽度であれば体のだるさや頭痛などで済みますが、重度になると痙攣や意識障害、最悪死に至るケースもあります。

一日の水分補給量の最低限の目安は1.5リットルほどです。体に不調をきたさないためには、上限3リットル未満といわれています。特別運動をしたりしなければ、大体コップ6~8杯の水分を、一日のうち数回に分けて飲むようにすると良いでしょう。

食事で代謝を上げる

身体が冷えると新陳代謝も低下してしまいますので、体を温める飲み物や食べ物を摂るようにし、運動やお風呂に入って、十分に温める事も大切です。身体を温めてリラックスできると副交感神経が優位になり代謝のアップにつながります。

体を温める飲み物は、発酵しているもが良く、ほうじ茶、紅茶、プーアル茶、桑の葉茶などがおすすめです。

体を温める食べ物はタンパク質が多い食べ物です。例えば、肉類は脂肪が少ないもの、大豆製品は納豆・大豆・豆腐・味噌・高野豆腐など、魚介類はサバ・イワシ・ブリ・サンマ・アジなどがオススメです。積極的に取れない場合は、プロテインなどのサプリメントを摂るのもいいかとおもいます。

他には、タンパク質は冷え性にも新陳代謝にも良いですが基本的な身体の機能としてビタミン、ミネラル、食物繊維などは必須になりますので、これらを一緒に摂る事を忘れないのがポイントです。

運動で代謝を上げる

新陳代謝を上げるにはウォーキングなどの有酸素運動も効果的です。筋力をアップさせる運動もたまに取り入れれば更に効率良く代謝が上がります。適度な運度で筋力が上がると安静にしている時にも生命を維持するために自動的に消費されるエネルギーの基礎代謝も上がるからです。基礎代謝が上がるとリラックスしている時にもエネルギーが消費されやすくなるので結果的に楽して、代謝が上がりやすい身体へと近づけることができるのです 。

ストレッチで代謝を上げる

体を柔らかくする一番の方法は、「ストレッチ」です。
ストレッチのポイントは、

あらゆる方向から刺激

筋肉は「伸ばす」ことが基本ですが、いつも同じ動きだと「形状記憶」によって、動かせる範囲が決まってしまいます。「ねじる」「反らす」など、さまざまな方向と動き、力の強弱で刺激を与えましょう。

日数をかけて少しずつ

ストレッチは「週に2~3回、できれば5~7回」、「15~30秒伸ばすのを2~4回繰り返す」と効果的です。

ストレッチをすると固くなった筋肉を伸ばして柔らかくする。狭くなっている関節の稼働域を広くする。などといった効果があるので代謝アップにつながるのです。

大きな筋肉で代謝を上げる

人体には約600個の筋肉が存在しています。筋肉を鍛え、筋肉量を増やすと、日常的に消費できるエネルギーが増えるので、食べても太りにくい体になります。どの筋肉も基礎代謝を上げるのに役立ちますが、600個あるすべての筋肉を鍛えるのはとても大変です。そこで、効率的に代謝をあげるには大きな筋肉を鍛えることがポイントになるのです。

大きな筋肉群とは、例えば、大胸筋(胸部の筋肉)や広背筋(背部の筋肉)、腹筋、大殿筋(お尻の筋肉)、大腿四頭筋(太ももの前側)、ハムストリングス(太もも裏側)、ヒフク筋とヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉)。

これらの大きな筋肉群を鍛えるとなぜ基礎代謝が上がりやすいのかというと、小さな筋肉よりも一回動かしただけで大きな刺激を与えることができるからです。だからそれだけ体の基礎代謝も効率的に増やせ、また逆に鍛えやすく効率的に筋肉量も増やすことができるのです。大きな筋肉を鍛え、基礎代謝を上げるが目的であれば、それほど激しいトレーニングも必要ありません。普段、筋トレに慣れていない人でも、軽いメニューを継続すれば容易に筋肉量を増やすことが可能で、代謝を上げることができます。

マッサージで代謝を上げる

適正な新陳代謝をサポートする外からのお手入れとして取り入れやすいのが、マッサージやツボです。ただ、前提として、細胞が健全な状態にあることが重要ですから、まずは体調管理、心身ともに健康な状態を保つ事を心がけてから、マッサージやツボを活用するのがベストです。

マッサージをすることで、血液やリンパ液の流れをよくしてくれます。血液は細胞の活性に必要な栄養分を運ぶ役割をはたしていますので、マッサージによって血行を良くしてあげることは、健全な新陳代謝に重要です。

また、リンパ液は老廃物を運ぶ役割を持っていますが、リンパ液の流れは血液の流れよりもゆるやかですので、マッサージによってその流れをスムーズにしてあげることも、新陳代謝に良い影響を与えてくれます。

マッサージすることによって、お肌も古い角質が剥がれ落ちるリズムを整えることができますので、これも新陳代謝にプラスの効果をもたらします。

マッサージは短時間でも毎日行うのがおすすめで、注意点としてはマッサージクリームやオイルを十分に使用し、肌に摩擦を与えないようにすること、強い力で肌をこすらずにやさしく行うことが大切です。頭皮もマッサージすることで、血行が良くなりますが、爪を立ててマッサージをすると、ダメージを与えてしまいますので、指の腹で、やさしく頭皮を揉むようにマッサージしましょう。

入浴で代謝を上げる

入浴をすることで体温が上がり、血流がよくなるので新陳代謝も高まります。新陳代謝が高まって血流がよくなると、体内の老廃物や余分な水分が排出されます。入浴で水圧が血管に加わることで更に血行がよくなるので、心臓の働きも向上します。その結果、血液やリンパの流れがよくなる新陳代謝が高まる連鎖が起こるのです。

最近はシャワーのみの方もいらっしゃいますが、シャワーの刺激だけよりも湯船にしっかりつかった方が、血行はよくなります。入浴をすることで、体温上昇、発汗、リラックスの効果も期待できるため、血流がよくなり、老廃物が流れやすく新陳代謝も高まるのです。体温が1度上がると基礎代謝は12%もアップすると言われています。

入浴で新陳代謝を高めるためには20分を目安にお風呂にはいるのがベストです。20分間ずっと湯船に入っている必要はありません。5分入ったら湯船から出て体を洗ったり、休憩をしたりしてまた湯船に入る、ということを繰り返せばいいのです。

なぜ20分という時間が必要なのかというと、入浴によって体温が上がり体全体の血流がよくなるためには約20分必要だからです。シャワーでは血行がよくならないのは、体の表面しか温まらず、血行が十分によくならないためです。入浴中は読書をしたり、音楽を聴いたり、防水機能のあるテレビを見たり、軽いストレッチをするのもおススメです。

また、入浴の温度ですが、熱めのお湯で急に体を温めると血圧の上昇を急激に起こし、心臓に負担をかけてしまいます。肌の乾燥に繋がってしまうこともあります。体へ負担をかけず、新陳代謝を高めるお湯の温度は、春から秋は38度、冬は40~41度ほどがベストです。この温度は少しぬるめと感じる温度ですが、時間が経つと汗が出て、体の中から温まってきます。ぬるめのお湯に入ることで、副交感神経が優位に立ち精神的にもリラックスできます。また、血液がしっかり循環するため、湯冷めもしにくいので新陳代謝アップに最適です。

ツボ押しで代謝を上げる

次のツボを押すことでも代謝をアップさせることができると言われています。

中脘(ちゅうかん)

おへその真ん中から、指4本分上に位置するのが中脘です。「脘」は胃や肺、消化器官を意味していて、胃腸の働きを整えるツボです。胃腸の調子が整うことで腸の蠕動運動もスムーズに行われ、基礎代謝が上がり、脂肪の燃焼も手助けしてくれます。
押す際は、やさしく揉んだ後に親指の腹で程良い強さで息を吐きながら3~5秒押し戻す時に息を吸いながらゆっくりと戻します。これを何度が繰り返します。

気海(きかい)

おへその真ん中から、指2本分下に位置するのが気海です。気海には、多くの気が集まるとされています。気海を刺激すると腸の血流や全身の代謝が良くなり、腸が温まって活発に動くようになるため基礎代謝が上がります。腹痛や生理痛、貧血や下肢の冷え、イライラや鬱、不眠、不安などにも効果的です。
押す際は、親指の腹で程良い強さで息を吐きながら3~5秒押し戻す時に息を吸いながらゆっく
りと戻します。これを何度が繰り返します。

三陰交(さんいんこう)

くるぶしの内側から、指4本分上、筋肉と骨の境目にあります。基礎代謝は、体温が1度下がると12%下がるといわれていますが、その体温低下の原因となる冷えの改善によいとされているのがこの三陰交です。
押す際は、ゆっくり息を吐きながら静かに押し、息を吸いながら離すようにします。1度に3回程度を目安にして続けて押しましょう。

 

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プロフィール

パーソナルヘルスカウンセラー&薬剤師&ファスティングマイスター。

漢方薬局での5000件以上のカウンセリングの実績をもとに予防に対する カウンセリング、ファスティング講座を開催中。

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