ファスティングは“回復食”がカギ リバウンドしないカラダをつくるコツ

 

こんにちは。

吉沼枝里子です。

 

断食をすることで、美容、健康の維持、改善を目指すファスティング。

アスリートやモデルの間で話題となったのをきっかけに、世の女性を中心に注目を集めています。

 

ただ、“その後”しだいでは効果が十分に継続されず、リバウンドしてしまう可能性もあることをご存じでしょうか? 

今回は、ファスティングの効果や、リバウンドをしないための知識をご紹介します。

 

■ファスティングってなに?

ファスティングという言葉はそもそも、英語で「断食する」「精進する」などの意味をもつfastの名詞形です。日本語に訳すと「絶食療法」や「断食療法」という意味になります。しかし古くから民間療法として用いられてきたそれとは異なる、“まったく新しい健康法” だということをまずおさえておきましょう。2つの違いは以下のとおりです。

 

・絶食/断食療法

疾患や難病治療を目的に、水以外の摂取を禁じて体内の毒を排出する療法。肉体的・精神的苦痛が大きく、精神的修行などに実施されるケースもあります。

(正確には、断食と絶食も違いがあります。)

 

・ファスティング

健康増進や疾患予防、ストレス解消などの体質改善を目的に、必要最低限の栄養源を摂取して本来の機能を取り戻す療法。絶食および断食とは異なり、肉体的・精神的苦痛は限りなく少ないといいます。日常的な運動の延長線、というイメージを持つと分かりやすいかもしれません。

 

実際には、ファスティングでも絶食や断食に近い取り組みをするケースもありますが、昨今話題になっているのは上記の定義に当てはまるものがほとんどです。やはり身体に負担がかかりづらいので無理がなく、安全に実施できることがなによりもの魅力。「いろんなダイエットに挑戦したけど全部失敗した…」「なんだかずっと調子が悪い。どうすれば…」とお悩みの人には、とくにおすすめできる療法です。

 

■ファスティングがもたらす7つの効果とは

ファスティングは効果が得られるといわれています。そのなかでも注目したい、7つの効果についてみてみましょう。

(1)体脂肪の減少によるダイエット効果

人間は、特別な運動をしなくても、内臓器官を動かしたりするためのエネルギーを必要とします。ファスティング期間中は、この基礎消費エネルギーよりも少ない量のエネルギーしか摂取されないため、余分な体脂肪を減らすことができ、ダイエット効果が期待できます。

 

(2)働きづめの臓器を休ませ、本来の機能を回復させる

現代は飽食の時代といわれ、いつでも自分の好きなものが簡単に手に入ります。食事の内容も一昔前に比べると、脂肪や糖分が多く、味付けの濃いものが増えています。

また、ストレスによる睡眠不足からくる過食も、内臓を働きづめにする要因です。そこで、ファスティングによって臓器を休ませることでリフレッシュさせ、本来の機能を回復させてくれることが期待できます。

 

 

(3)有害物質などをデトックスする

現代は、農薬や食品添加物、有害金属などの体を汚すものが、いや応なしに空気や食品などを通じて体内に入ってきます。しかも、それらの物質は体内に蓄積され、私たちの神経系をはじめ、内分泌系や免疫系などにも悪い影響を及ぼしているのです。これらの物質は、主に脂肪中に蓄積するとされていますが、ファスティングによってその脂肪を消費させ、汚染物質を減らすことができます。また、大腸にこびりついた宿便を取り除き、きれいにする働きもありますので、美容効果も期待できます。

 

(4)血液をサラサラにする

脂肪や糖分の多い食事は、心筋梗塞や脳梗塞などの循環器系の重篤な病気の原因になります。ファスティング中は、エネルギー摂取量が減るため、不足したエネルギー量を補うために血液中にある脂肪分や糖分を消費します。血液中の余分な脂肪や糖分が減るので、血液がきれいな状態へと回復し、病気のリスクも下がるといわれているのです。これには、ダメージがあらわれにくい肝臓の機能を改善するのにも役立ちます。

 

(5)免疫力をアップさせる

免疫力は、あらゆる病気に抵抗するための大切な力です。ファスティングは、普段酷使されていた臓器が休まることで、白血球の働きが活発化し、それによって自己治癒力がアップするとされています。がん細胞の増殖を抑えたり、感染症を防いだりするのに役立ちます。

 

(6)五感が研ぎ澄まされる

現代人は、濃い味付けや化学調味料などによって味覚が鈍くなっている人も多いそう。ところが、ファスティング後は味覚が研ぎ澄まされて食べ物本来の味がよくわかるようになるとのこと。これは体験者でないとわからない、不思議な体験なのだそうです。また、味覚だけにとどまらず聴覚、嗅覚、視覚などの他の感覚器官も研ぎ澄まされるので、何か新たなを発見ができるかも。

 

(7)病気から早く回復できる

もし病気になってしまったら、できる限り早い回復を望むものでしょう。そんな時も、ファスティングが役立つかもしれません。食べ物を消化吸収するために働いていたエネルギーが、免疫系や組織の再生のために使われるので、回復が早まることが期待できるからです。アメリカでは、ガン治療に利用されることもあるそうです。

 

■ファスティングの方法

さまざまな効果が得られるファスティングは、先述のとおり水以外の摂取を一切禁じるのではなく、必要最低限の栄養源を摂り続けるのが一般的です。たとえば、必要カロリーやビタミン、ミネラルが含まれた野菜などの植物を発酵させた酵素ドリンクを、1日に1回飲む方法がよく知られています。酵素ドリンクの種類は多岐にわたりますので、自分に合ったアイテムを探してみてください。

 

実施期間は、1日から数週間まで人によって異なります。というのも、ファスティングは日数より継続」が基本的な考え方です。身体的にも精神的にも、あまり負担がかからない範囲で取り組むことをおすすめします。ただ人間の身体は、3日間消化を休めばいったんリセットされるといわれているために、はじめは3日を目標にするといいかもしれません。

 

ファスティングの成功に欠かせない“回復食”

ファスティング明けは、実施期間と同じ日数を目安に「復食期」を過ごす必要があります。休めていた消化器官を過度に刺激しないよう、“回復食”を食べてゆっくりともとに戻す期間のことです。そしてリバウンドが発生しやすいのは、まさにこの時期。よくある失敗例が、複食期や回復食を理解していなかったばかりに脂っこい食べ物などを口にしてしまい、せっかくリセットされた体内環境が悪化するケースです。そもそもファスティングのあとは「乾いた大地に水をこぼすとよく吸収する」とたとえられるように、とても太りやすい身体になっているので、脂っこい食べ物はとくに摂取するべきではありません。

 

複食期の回復食は、「消化によい」「胃に優しい」「時間をかけて食べる」が原則です。以下は複食期のメニュー例ですので、ぜひ参考にしてください。

 

例)3日間以上のファスティング

 

・復食期1日目

具なしのお味噌汁とお粥。

 

・復食期2日目

野菜や豆類などを加えたお粥やフレッシュジュース、スムージー。

 

・復食期3日目

玄米粥や野菜たっぷりのシチューや野菜サラダ、豆乳、豆腐、干し芋、干し柿などのドライフルーツ。

 

専門家の指導で安全なファスティングを

近年はファスティングが「健康療法」として科学的に認められつつあります。それに伴い、美容関連クリニックや栄養学を専門にした病院など、ファスティングの指導を実施する施設も登場しています。

 

ここまでご紹介したように、ファスティングは身体にできるだけ負担を与えないよう取り組む療法です。そのため、絶食や断食と比べて安全性は比較的高いといえますが、きちんとした知識がなければ期待するような効果が得られません。より目標とする結果を出すためにも、やはり一度は専門家へ相談をすることをおすすめします。

 

■まとめ

・ファスティングは健康増進などを目的に、最低限必要の栄養源を摂取する療法

・「日数より継続」が基本的な考え方であり、自分の身体と相談しながら日数を決める

・ファスティングのあとは、回復食を用いて復食期を過ごす

・安全でかつ、期待する効果を得るために専門家への相談が推奨される

今回は、ここまで♪

 

吉沼枝里子

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プロフィール

パーソナルヘルスカウンセラー&薬剤師&ファスティングマイスター。

漢方薬局での5000件以上のカウンセリングの実績をもとに予防に対する カウンセリング、ファスティング講座を開催中。

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